高校生の甥っ子たちに、夏休み中、夏目漱石の「こころ」を読むという課題が出た。
私も、高校の時に課題となったけど、あの時はほんのちょっと読んだきり、「かったるーい」と投げ出したんだっけ…
あの時は、ロシア文学とか、フランスの小説なんかを、「歌のこやし」と思って読んでいたのだ。
「こころ」は今さらだけど、やっぱりちゃんと名作には目を通しておかないと大人として恥ずかしいような気がして、そしてなにより、子供だーとおもっていた甥っ子に先を越されてはなるものかという気持ちで、書店へ走った。
本を開くと、そうそう、明治の頃の言葉遣い。これが「かったるーっ」と思わせてたんだわ。
だけど、いい!
なんだか、その言葉が作り出す、空間というか、時間の流れが美しい。
鎌倉の情景もきれいに丁寧にかかれて、久々に鎌倉へ足を延ばしてみようかと思った。
あっという間に、全部読み終えた。
特に「せんせい」の遺書のあたりからは、目がはなせなかった。
書店では「友情をとるか、愛情をとるか・・・」といった下りの説明書きがあったけど、これはそんなんじゃない、人間としての心が問われている。
もうちょっと若い時に読んでたらどんな感想をもったかな?また、もうちょっと年をとった時に読み返したら、どんな感じかな?
「こころ」の舞台となったところは、たぶん文京区。
そして、小説中に出てくる雑司ヶ谷霊園は、私も何度か訪れた所。
というのも、高校と大学の真ん中くらいに位置した場所なので。
だから余計に親近感が湧くんですよ。
で、この間、ちょっと用があり、その帰り道に雑司ヶ谷霊園から鬼子母神まで散策しました。
雑司ヶ谷霊園。
小説中の「友人K」のお墓近くに銀杏の木があるはずなんだけど。。。どこ?
ここは、夏目漱石をはじめ、泉鏡花、小泉八雲、ジョン万次郎、金田一京助などの著名人が眠る。
ぜひ、漱石のお墓をお参りしたいと思ったが、見つけられず、しかし、思いがけず竹久夢二とサトウハチローのおはかをお参りすることができた。
お二人の詩は、よく歌わせていただいてるので、お参りできてよかった。
都電荒川線。
今でも「チンチン♪」と出発の鐘が鳴ります。
線路わきが道路拡張のため、昔あった喫茶店とか無くなってるよ~かなしい。
北野武の招き猫もなくなってた!
雑司ヶ谷の鬼子母神。
大学時代はここのお祭りで、鮎の塩焼きを買って、部室で食べたな~。
見世物小屋もあった。
ケヤキ並木や、大きな銀杏は都会のオアシスです。